BELSの活用


1. どうなる? 日本のインフラと住宅

東日本大震災で原子力の安全性が問われ 日本のエネルギー事情が一変しました。

化石燃料に頼る日本

化石燃料は、石油・石炭・天然ガス等の自然界のそのままのエネルギーと、原子力の燃料ウラン、水力・太陽光・地熱等の自然エネルギーをまとめて一次エネルギーと言います。

日本のエネルギー事情は海外に依存し、化石燃料が87.4% 国内生産は僅か1% 化石燃料の輸入額25兆円(2014年)
昼夜安定していない自然エネルギーでは化石燃料から切り換えることは不安です。
節電ブームも起きましたが、昨今の外気温35℃を超えるような夏、エアコン無しでは命の危険も。

2. さらなる追討ち パリ協定

「2030年までに温室効果ガスの排出量を2013年度比26%減らす!」と世界に約束してしまった。Big mouth(笑)

それでも真面目な日本人、日本企業(工業・商業・交通・車)は大幅に一次エネルギー消費量を目標値以下に下げました。
次に大型の建物、ビル、マンションなどの建築時から解体までの建物の一生分の二酸化炭素(CO2)量を数値化して規制されました。
これがCASBEEや、のちのLCCMにつながります。

エネルギー起源CO2排出量の部門別増減要因分析のまとめ(2005→2017年度)

(出典:環境省 温室効果ガス排出量の算定結果)

家庭のCO2排出量

家庭のCO2排出量

企業(製造業)のCO2排出量

企業(製造業)のCO2排出量

3. 世界との約束は、国民に

さらなる削減は住宅(一戸建て住宅)に求められました。
住宅を省エネルギー住宅にするためには高気密高断熱性能を大幅に向上させる。
断熱材などで、屋根、基礎、壁、を包み、窓(開口部)は熱の伝わりにくい物を選ぶ等、外気温の温度変化から室内環境を守る、エアコン・給湯・照明・IOT・光発電(太陽光発電システム)、さらに蓄電など高効率設備を搭載した住宅
建物性能+住宅設備とのバランスで「住みやすい家」示されました。
そんな家が日本国内に増えれば、戦後に建てられた無断熱の住宅、※昭和55年以降に建てられた断熱性能の低い住宅とバランスがとれる・・・。

これから新築され増えてくる住宅が高気密高断熱+太陽光発電システム+蓄電池一次エネルギー削減率120%クラス以上の住宅
そんな住宅が点となり、いくつもの住宅が並んで線になり町一つで面になる。それがスマートグリットでした。

※昭和55年以降の住宅:窓ガラスはシングルガラスで結露でベタベタ、冬の風呂・脱衣室・トイレは寒く身震い、石油(灯油)ヒーターが手放せない。
夏は寝苦しく熱中症の恐怖と隣り合わせなのにエアコンは電気代が掛かるし一人しか居ないから「もったいない」 こんなのが、昭和55年省エネ住宅のレベルです。

しかし、2011年 東日本大震災の原発問題でスマートグリットは停滞し見直されました。

イラスト:省エネルギー住宅のイメージ
スマートグリット

スマートグリット
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁)

4. できる人 手あげて!!

進まない住宅の省エネルギー・・・。
そこで2005年頃に始まっていたNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)←愛知万博にパビリオンが有りました。
住宅の高効率エネルギーシステム導入促進事業「補助金」が始まりました。
内容は、「全国で凄い省エネルギー住宅を造れる会社さん 手あげて!!」
大手のハウスメーカー、ビルダー、街の工務店まで裾野を広げて、独創性、地域性、工法、色んな省エネルギー住宅プランを集めまとめられたのが、ZEH(ゼロエネルギー住宅)です。弊社 酒向建築株式会社も2007年から毎年採択されました。
事業開始時は補助交付額は180万~165万円ほど、2020年度は60万円(蓄電池等を設置したもの)新築するならZEH仕様があたり前になり新築住宅の一次エネルギー削減には効果が有ったとされています。

ZEHとは、「快適な室内環境」と「年間で消費する住宅エネルギー量が正味で概ねゼロ以下」を同時に実現する住宅

出典:環境省(令和2年度のZEH関連事業(補助金)について)

実績

実績

5. Nearly ZEH? ほぼ? ZEH

ZEHが始まって、地域性や立地条件で太陽光発電システム等の設備が導入できない住宅も有りZEHは光発電システム無しで考えることが大切です。
建物の断熱性能だけで勝負。

 Nearly ZEH? ほぼ? ZEH
 Nearly ZEH? ほぼ? ZEH

出典:IBEC建築省エネ機構

外皮の性能

断熱材で屋根、壁、基礎を包んで建物内温度等を安定できる能力
1.地域性に有った断熱材、ボリュームを選択する。
2.結露などの対策

開口部の性能

夏は日射を室内に入れない工夫。冬は日射を室内に取り込む工夫。
1.建築地の気象、風土、太陽高度を考え窓配置を考え庇の長さ開口部を選択する。
2.L0W-E硝子は慎重に、夏は日射を遮断しますが、冬は日が入らないため室内が暖まりにくいです。
3.外ブラインドや、開閉オーニング(庇)を選択する。

パッシブ(自然)を活かす

地域の気象状況を観察すると四季で風向きが異なります。
窓の配置や開放角なども考慮して空調設備オンリーでなく自然を活かす。

ライフスタイルに合った設備

高額な空調システムなどの導入よりも生活スタイル、住宅のボリュームを設計して設備を選択する。

6. 2020年のZEH

2019年9月の台風15号は最大瞬間風速57.5m/s記録的防暴風でした。多くの人的被害が発生しました。
この台風で大規模停電が発生し真暗の室内の報道がされました。電力会社も点検後に送電するため、復旧に数日かかりました。
そこで自家発電が再度話題になり、ZEH仕様の住宅に、ZEH+、ZEH+R(停電時の電源確保、蓄電池など)の導入費用が通過補助され総額60~115万円とされました。

このことから国の政策は、省エネ住宅(ZEH)は当然で、災害用の設備に補助金が移行したようです。

ZEH支援事業
ZEH+実証事業
ZEH+R強化事業

引用:Sii環境共創イニシアチブ

7. 省エネ住宅 UA値 ? 意味が解らない。

「住みやすい家」冬暖かく、夏は涼しい、色々な工法が溢れ「エアコン1台で大丈夫ですよ」などの誇大宣伝に規制もかかりました。
数値と実際の体で感じる「住みやすさには」個人差が有ります。

そこで全国のトップランナー工務店から集められた省エネ住宅の実例と、膨大なデータから「最新の省エネ住宅の基準」が見直されBELSが始まりました。
国土交通省のガイドラインに基づき第三者機関が住宅建築物の省エネルギー性能(ZEH住宅)の評価・表示を適確に実施するために始まったのが建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)です。
BELS「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略称で、「ベルス」

BELSの仕組み

専門用語が多い建築の世界。ミシュランガイドのように★で示せば分かり易いし、公的機関審査の後に発行されるので安心です。

★★★★★ BEI ≦ 0.8

光発電システムを搭載したZEH仕様

★★★★ 0.8 < BEI ≦ 0.85

ZEH仕様(相当)

★★★ 0.85 < BEI ≦ 0.9

ほぼZEH(Nearly ZEH )


★★ 0.9 < BEI ≦ 1.0

省エネ基準

1.0 < BEI ≦ 1.1

既存の省エネ基準

建物の省エネ性能を表示するのが★の数です。BEI値によって5段階で表示されます。
BEIは、「基準一次エネルギー消費量」に対する「設計一次エネルギー消費量」の割合のことで、BEIの値が小さいほど、省エネルギーです。
BEI : 設計一次エネルギー消費量/基準一次エネルギー消費量

2020年竣工物件です

BELS評価書
BELS評価書

8. いろんな制度の活用。

BELS、長期優良住宅、この組み合わせで補助事業にエントリーできます。

「ぎふ省エネ住宅建設支援事業」岐阜県内の工務店で新築、改修すると最大40万円補助されます。

➀ 一戸建ての住宅
② BELS★★ 以上
③ 劣化対策等級2以上(長期優良住宅に含まれる)
④ 木造住宅
⑤ 岐阜県内の工務店
補助額 新築 30万円

+

(1) 長期優良住宅計画認定書
(2) 県内転入者
加算 10万円

最大 計40万円

省エネルギー住宅で、住宅の維持管理も整う、バランスの良い補助制度です。